ドクター

そんなドクターも今となっては、気のいいおじさん(お姉さんでも可)である。
選択肢でのセリフから、戦場に立っている間は冷静に振る舞うものの、ロドス本艦での会議などでは状況の厳しさや背負っている責任を感じて弱気になるなど、
どこか小市民的な感性を持ち合わせている。喜怒哀楽のリアクションも大きいようだ。

プレイヤー間では「まだ休んじゃダメですよ」「ケルシーに殺される」といった一部の台詞が誇張して解釈され、ドクターがアーミヤやケルシーに日々圧力をかけられているといった認識を持たれることも度々ある。
しかし、作中の描写を見る限り彼女らはリーダーとして自他に厳しい面を持っていたり、過去の行いに対して思うところがあったりするものの、本心では現在のドクターの身を案じていることは確実である。
一方でドクター側の台詞として二人を数々の仲間の中でも特別な存在として認識していることも明確であり、特にレユニオンの一件が落ち着いてから3トップの関係は概ね良好と見てよいだろう。
また、ドクター自身が記憶喪失でありながらロドスの重要人物として期待を寄せられる身の上に不安を覚え、期待相応の働きを見せなければならないといった義務感からワーカホリックに陥っている節があることも描かれている。

初対面の相手や同等の立場の人間には堂々とした口調で話すことが多いが、一方親しい仲間や子供達には優しい口調で話している。
周囲に若くして重責を負う者や少年兵となる者、そして戦闘や鉱石病で命を落とす者が少なくない現状には心を痛めており、FrostNovaに強く執着したりロスモンティスを戦わせることに憤ったりといった描写もある。

夏の陽ざしの中、リゾート地を普段のフード姿でうろつきまわり、警備員に追い回されてお嬢様並みの体力を見せたり、
砂虫(おそらくイソミミズの類)の串焼きを執拗にイフリータに食わせたり、戦場以外では何かと奇行が目立つ。

元来の体質、あるいは長時間のコールドスリープの後遺症のためか、（鉱石病以外の）何らかの健康問題を抱えているらしく、ケルシーやその弟子フォリニックが受け持つ患者の一人でもある。
医療オペレーター陣のボイスやイベントストーリーでしばしばその生活態度が言及されるが、全般的に自身の健康管理には無頓着で指摘事項を守ろうとする気も無いらしい。
ほぼ年中残業して頭脳労働に没頭するワーカホリックであるために慢性的な睡眠不足や運動不足に陥っているほか、暴飲暴食や悪食など食生活にも問題があるようだ。
フォリニックはこれに激怒し、彼女のボイスでは不健康な中年のオッサンそのものの生活習慣について事細かく指摘されてしまっている。はい、肌の乾燥。ええ、肩の凝り、目の乾燥、抜け毛、脱力感……。

一方でブレミシャインからは同年代の友達扱いされていたりもして、いまいち年齢描写が安定していない。(若者なのに苦労しすぎでボロボロという可能性もある)

イベント「VIGILO -我が眼に映るまま-」では、ドクターの服装について多少の言及があった。
フードとコートで肌の露出を極力避ける服装は、「プレイヤーの分身として、顔、容姿、体格、性別などを自由に解釈できるようにする」というメタ的な都合だけではなく、身体の維持のために必要な防護服という設定もあるようだ。
ロドスのオペレーターたちはドクターの顔色の変化を感じ取っているので、表情によるコミュニケーションは可能らしい。

食い意地の張り具合は恐ろしく、陰に陽に、悪食扱いされるようなものを普段から平気で口にしているようだ。
ペットの世話役を探していたバニラは、そのペットの正体(オリジムシ)を聞いたときのドクターの沈黙と目つきから「ドクターにペットを食べられるかもしれない」と選択肢から外すほど。
ドクターの沈黙はただ困惑していたのか、それとも本当に食べようとしていたのか、その真相は闇の中。

作中のオペレーターたちやプレイヤーの視点では戦場の指揮能力に注目されがちだが、その他にも多才な人物。
各種のイベントでは政治的な判断力や推理力の高さが注目される。

「帰還！密林の長」では、早い段階で今回の事件の黒幕に気付いており、別行動することになった一般オペレーターに策を与えている。

「VIGILO -我が眼に映るまま-」では天災に巻き込まれたロドス本艦の航路をその場で計算して状況を脱する。
失われたと思われた研究者としての才能を垣間見せ、ケルシーからも驚かれた。
それが有効と判断すれば、自分の身柄を現地当局に拘束させることでロドスのピンチを切り抜ける思い切った行動も取っている。

「ニアーライト」では、謀略渦巻くカジミエーシュで監査会と商業連合会の双方から信頼を勝ち取り、新規参入企業のロドスの経済界での地位を確立した。
電話会議やパーティーに参加しながら経済界の勢力図を分析し、ロドスの立場と感染者の保護を両立できるよう協力者を選別していたようだ。
目の前で騎士と暗殺者が一騎打ちを始めても、話し合いを促して場をまとめる胆力を見せている。
ちなみに、カジミエーシュでは知り合って間もない相手に「友人」だの「お嬢さん」だの、圧をかけるような不気味な言い回しを使っている。

「風雪一過」では招待状を招かれたイェラグで、エンシオディス・シルバーアッシュを中心に展開した権力闘争に巻き込まれる事となる。
事前情報が殆ど無い上に現地人からはシルバーアッシュとグルになってイェラグを荒らし回るのでは？と警戒された状態からスタートとなる。
ところが現地情報を伝えてくれる協力者から話を聞いた後は疑っていた人々から行動を以て信用を獲得。
その後起こったクーデターでは「イェラグの外界交流を開くこと」と「三家による絶対的な支配体制の継続」は避けられぬ事としつつも
「民衆の信用を得てシルバーアッシュ家に権力が集約すること」と「他二家の反発から始まる泥沼の内戦」を防ぎ、事態を収束させた。
ドクターにも劣らぬ謀略家であり、地元故に山のように根回しを仕込んでいたシルバーアッシュに対し、来訪して数日か数週間あるかどうかの身で一人勝ちを許さず引き分けに持ち込む離れ業を披露した。

なお、イベントストーリーで登場した際は各国に赴いては陰謀を察知し(あるいは巻き込まれ)、犠牲者を最小限に留めるよう策を講じるという役回りを担うことの多いドクターだが、
その殆どはアーミヤ・ケルシーやドーベルマンといった他のロドス上層部への説明を後回しにして(通信環境の問題で不可能な場合もあるが)独断で行われている。
結果的にはロドスに不利益が生じないことも含めて事を丸く収めているから良いものの、本来のロドスの規模を考えれば内政干渉で余計なリスクを抱えるなど以ての外であり、解決後に報告を聞いた彼女らに苦言を呈されることも少なくない。
また、分析する時の思考や場面外での様子はカットされていることが多く、プレイヤーは必ずしもドクターの全てを追体験できるわけではない。
かと思えばプレイヤーの選択肢次第で素っ頓狂な行動や不用意な発言もできるため、「どれが本当のアンタなの？」と困惑されるのも仕方ない。

「ミヅキと紺碧の樹」内の未来Ifの話ではあるのだが、第六層表ボスを目指す過程でドクターとミヅキは幾千万年も前から存在するとされる実験室へ辿り着く。
あろうことかその実験室の顔認証システムによるロックが、ドクターの顔を検知して開いてしまった。

諸々の断片的な情報から、本作の世界にはかつて源石や先民、海の怪物を生み出した者達、いわば「旧人類」の存在が示唆されている。
人間に扮しながらも上位存在（巨獣など）級の長命であるケルシーが生まれて数万年と判明しているため、数千万年前に旧人類がいたとすれば、彼女もまた旧人類によりテラの監視者・守護者として生み出されたと考えられる。
そしてプレイヤー間では、石棺から救出され、依然として作中で種族について明言されないドクターの正体は「テラ唯一のヒト」やら「旧人類の生き残り」やらと予想されている。
上記の話は、ドクター旧人類説の新たな根拠となり、もはやドクターもケルシーの年齢ネタを笑えなくなってきてしまった

イベント「孤星」では旧人類や世界そのものの在り方の秘密が紐解かれ、さらに長命種であるミュルジスとの交流と併せて「現状のドクターは記憶を失う前のドクターと同じ存在なのか？」「石棺によるコールドスリープにより他の人々と時間を繰り返す」、さらには「**PRTSの画面越しで指揮している**お前はこの世界の住人の事をどこか他人事のように感じているのではないか」など、メタフィクション要素も絡めて「現在のドクター」の在り方を問われる展開となっている。

なお、派生作品であるエンドフィールドのPV中の呼びかけでは石棺Mk2から起こされた主人公が何者か確認するにあたって「ドクター」という単語も出てきている。
ただ、エンドフィールドは未開の地である北方を踏破してゲートを見つけ、その先で何世代にも渡って開拓を続けているという状況。そのためドクターがエンドフィールド世界にも居るとするならば石棺によるコールドスリープを繰り返しながら活動している事となる。

また、ドクターと同じ旧人類疑惑のあるキャラクターとして、ケルシーすら全容を把握できておらず、PRTSや「魔王」と紐づけて考察されている謎の人物プリースティスの存在が挙げられる。

• スカジ：「まったく、あなたという人は本当に頑固ね……」
• プラチナ：「ま、そんなひょろひょろしたアンタに言われたくないけどね。」
• グレイ：「ドクター、背が高いですね……ぼ、僕はいつになったらドクターに追い付くかな……？」
• ワルファリン：「そなたの血液……今まで嗅いだことのない芳しい香りだ……妾の心を惑わせる……。」
• パフューマー：「ドクターくんって、いい香りがするわね。」
• Lancet-2：「どうやらあなたの血液は特殊なタイプみたいですよ……？」
• サリア:「お前の作戦、戦術は現代らしいものだが、根底にある思想は古くさいな。一体いつの時代の人間だ？」

• アーミヤ
  「ドクター、また会えて……嬉しいです。私たちのゆく道は、まだ長く険しいものですが……とにかくこれからもよろしくお願いします。」
• シャイニング
  「旅医者のシャイニングと申します。どこかでお会いしたことがあると？　旅の途中で擦れ違ったことがあったのかもしれませんね。」
  「私のヒーリングアーツ、どこかで見たことあると……？　それは気のせいですよ、ええ、きっと……」
• ナイチンゲール
  「私には、断片的な記憶しかありません……同胞、オリジニウム、使命、反抗、戦争……どうして……その中にあなたの姿が見えるのでしょうか？」
• サベージ
  「私は、レム・ビリトンから来たサベージ。よろしくね！ドクターとアーミヤちゃんがここにいるって聞いて、真っ先に駆け付けたよ！……え？ドクター、何も覚えてないの？そんなぁ！？」
• クロージャ
  「あと数週間もしたら、きっと君は消える。でもいつか『君』がまた深き場所へと還る時が来たら、君が今までしてきたことを思い出すといいよ。」
• W
  「サルカズの傭兵、Wよ。本当にお久しぶりね。って言っても、アンタが思う久しぶりとは意味が違うかもね。でも別にいいわ。今のアンタは私が探してたアンタじゃないから、今のところは安全ってわけ。そ、今のところはね。」
  「ここに帰ってくる可能性はいくつも考えたわ。彼女があの日見ていた光景をこの目に……。でもまさか、アンタと一緒になんて思ってもみなかったわ。ひどいわよねぇ、『ドクター』？」
  「ねぇ、ケルシーとアーミヤは今のアンタにはきっと何も言わないと思うけど、だからこそアンタがあの事を思い出したらどうするか、すっごく興味あるの。───そんな困った顔をしないで。今はこの名前を覚えておくだけでいいわ。テレジア。そう、テレジアよ。」
• エンカク
  「また会うことになるとはな。お前の事情ならもう聞いてる。襲ったりはしないから安心しろ。俺のことは武器として遠慮なく使うといいさ。なぁ、『ドクター』？」
  「あの戦争のことは知っているな。俺は伏兵全員斬り伏せて、残った部下を連れて裏切り者の城に突撃したが、最後に生き残ったのは俺一人だけだったという訳だ。戦争の原因？とぼけるなよ。俺はあの戦場でお前を見た。俺の記憶は間違える筈がない。」
• ケルシー
  「覚えていないかもしれないが、君の特技は確か、インスタント麺を口の中で調理することだったな。乾麺と粉末スープを口に入れて、熱湯を注いで3分。椀もフォークも要らないと豪語していたが……　ここから生還できたら試してみるといい。」
  ※元ネタと思われる台湾のインスタント麺のCMが存在する。また、大陸版ではニュアンスが違い「毎朝4時に行っていた習慣」だったらしい
• Scout
  「もし戦火と殺戮がドクターを感化し、ドクターを一人の指導者、研究者から一台の単なる戦争マシーンに変えてしまっていたら……。ドクターが戦争に加わることを望んだ者たち全員が、実は大きな過ちを犯していた、そう言う他ない。」
  「ドクターはもう二度と戦闘の指揮をすべきじゃないんだ。ドクター本人にとっても、ロドスにとっても同じだ。」

二の腕のマークがバベルの物となっている

実はドクターもWと同じくアークナイツのディレクター海猫氏がかつて開発に携わっていたゲーム『ドールズフロントライン』でプレイヤーの分身となる「指揮官」がデザイン元になっている。
ちなみに現在ドールズフロントラインにおける「指揮官」の姿はアークナイツの「ドクター」のように公式ではほぼ固定化されておらず、メディアによって姿はバラバラ。モノクル姿の男性であることもあれば10〜20代の女性として登場する媒体もある。

アーミヤ達によって石棺から叩き起こされたドクター目線で始まる第1話から、フードの中が見えるという形で素顔が解禁。
少なくとも「アニメ版ドクターの設定」においては銀または白色の髪と瞳を持つ人物として描かれている。
ただし、先民としての種族を特定できる身体的特徴は見られず、容姿・声色も中性的なため、種族や性別は依然として不明である。

アニメオリジナル展開として、ドクター救出を終えチェルノボーグからの脱出を図るアーミヤ一行は、逃げ惑いレユニオンのいる方へ向かおうとするウルサス人非感染者の避難民の親子を発見。
アーミヤは親子の救助を主張するも、自分達が発見され大打撃を負うリスクを取り上げたドーベルマンに窘められ、救助を諦めかける。
ところが、ここでドクターが指揮官としての才能を思い出し、PRTSからドローンを操作して敵陣を偵察しつつその場で作戦を立案。これがアニメドクターにとっての初指揮となる。
結果は大成功で、作戦の詳細は省かれたが、敵も含めて死者を出さずに勝利を収めた（ロドス陣営の攻撃は締め技や急所を避けたアーツ弾に留められ、戦闘後は医療オペレーターが気絶したレユニオン兵に応急処置を施している）。
しかし、感染者ばかりの一行は救出した避難民の親に拒絶され、同行を断られる。
このエピソードとアーミヤの解説を通して、ドクター（と本アニメから入った視聴者）は感染者問題というものを思い知るのであった。

原作におけるレユニオン編に準じているアニメ版の方針の一つでもある「戦闘描写に多くはかけない」というのも相まって、ドクターが直接指揮を執る描写は限られるが、
第10話では風向きから対峙する氷のアーツのからくりを看破しそれを打ち砕く一手をとるといった、理性にあふれまくった軍師っぷりを披露した。
第16話でのフロストノヴァとの決戦では、自身もPRTSのドローンを駆使して敵ドローンと相打ちに持ち込むなど微力ながら戦闘に貢献した。

末尾の番号が若いほど、古いログになります。

• コメント/ドクター/1
• コメント/ドクター/2

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